久しぶりにBAKERYタツヤへ。
イートインコーナーもあって、家族みんなでランチ。美味しかったぁ。
ロゴデザインは、中川たくまさん
長崎県東そのぎ町の木場(こば)という地に、新たな加工直売所が生まれました。
木場は、大村湾を一望でき美しい棚田風景が広がる郷です。
東そのぎは緑茶の生産地として有名ですが、豊富な湧き水に恵まれたお米は美味しく際立っています。
このプロジェクトは、プロデューサーの佐藤さんにお声がけいただき、開店に向けての外部サポーターとして、
コンセプトメイキングから、ネーミング・ロゴ・サイン計画に、
開店のための告知ツール・パッケージデザイン、そして空間づくりまでの、
クリエイティブディレクションとデザインを担当させていただきました。
佐藤さんが、この相談を受けられたのは、既に直売所建設が終わってから。
運営をされる、東そのぎ木場みのりの会の皆さんへヒヤリングを重ね、内容の整理、加工直売所オープンに向けてのプランニングと、
専門家のキャスティングをされてから、アオバトは関わることに。
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プロジェクトを始めるにあたり、まずは木場みのりの会の皆さんへ、デザイン講座を開き、
加工直売所を運営について、様々な質問を投げかけ、地元の声を拾い集めていきました。
ヒアリングを元にコンセプトワークを。加工直売所の機能として、第一にお米の価値を最大化する場所であること。
第二に、この場所が、地域や家族とのご縁を結んでいく場になることが見えてきて
以下のようなコンセプトイメージを描き、米どころ「木場のむすび」という店舗名をご提案しました。
コンセプトを総合的に具現化していくにあたって、皆さんと共有した完成予想図の分かりやすい合言葉は「峠の茶屋」でした。
(ちょうど加工直売所も広域農道沿いにあり、東そのぎ〜大村間を車が行き交うロケーションであります)
シンボルとなるマークはやはり米俵。結び目に米という文字を忍ばせて篆刻し、米・結び・地域の集合体を表しました。
この俵印に合う文字は筆を選び、木場のお母さんがおむすびを結んでいる風景を想像して揮毫。
田舎風に決してならないように、半歩先の姿を。
「木場百万石」なんて言ってみたりしたくなる目印に。
将来それくらい米作りが盛んになってほしいという、大きな夢を描いて。
オープンの告知用フライヤー。
ビジュアルイメージには、ちまきとおむすびを握るイラストで。
このちまきの竹皮は、地元で作られていることに感激。
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名刺のデザインとショップカードのデザインも。
たくさんのご縁が結ばれますように。
Facebookのヘッダーデザイン。
最新情報を知りたい方は、木場のむすびfacebookページへ
「木場のむすび」ーお店づくり編ーも、ご覧ください。
生産者の方のお米や農作物の価格が安過ぎる。
これは買い手にとっては、非常にありがたいことですが、作り手にとって果たしてどうでしょうか。
よくデザイン講座では、「価格を後継者が継げる、または人が雇える価格設定を」と伝えています。
そうしないと、持続可能な農業はできません。
しかし、現実は「地元では高いと売れない」ということで、そのままの価格で売られていることがほとんど。
(ここでの作り手の方は、小規模農家さんや兼業農家さんことで、大規模経営をされている農家さんではありません。)
朝の散歩の途中、田んぼには除草ができていないところや、
先の大雨の爪痕が残ったままの畔が目立ちます。
また、「農業はお金のかかる道楽」とか、「負の遺産を子供に残したくない」とか
農業を継続していく上での厳しい本音を耳にします。
実際に、今の美しい農村風景を守ってくれている世代は、60代を超えたお父さんお母さんがほとんど。
追い討ちをかけるように、種子法の廃止やTPP参加によって、10年後の農村風景がどうなるのかと。
なかなか楽観視できない状況です。
かと言って、解決策で自分が農業を担うという簡単なことではないので、考える石になってしまう訳です。
(田舎暮らしで仕事をしながら農業を!と、夢見て失敗した身ですから。)
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ただ、ネガティブな声を多く聞く中にも、
まわりには、農業に向き合いより良くしていこうと、創意工夫される人達の存在があります。
過酷な状況になっていけば行くほど、輝きを放つだろうと思います。
自分ができることは、その輝きをアオバトの仕事として伝え繋げることと、
ご飯を食べることを思う存分楽しむことくらいです。
タイトルで『お米2.0』とか言ってるから、画期的な発想を期待されていたら、ホントごめんなさい。
ただただ、美味しいご飯を子どもや願わくば将来の孫と、食べていたいだけ。
美味しいご飯に貪欲になれば、生産者へ思いを向けるようになるし、料理にも力が入ります。
盛り付ける器でも美味しさは変わり、食卓は華やぎます。
小石の波紋くらいの日常の幸せが、どんな未来の農村風景になるのか。
そんなことを考えながら田舎道を散歩してます。
食卓が変われば、風景も変わる。