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With others

創作は対話。

「ウチはプレゼンしないんですよぉ。」という井手さんの声に引き寄せられ、
会話に耳をすませ、すりすり擦り寄り話に聞き入ってしまいました。
井手さんは、クライアントや土地・風土・物・自分を含む他者に、
目を向け観察し、共有して選択肢を探りながら、プロジェクトをまとめられるそうです。
困った時には提案をして、絶対に避けるのが説得だと。
ガーンと頭を殴られたような衝撃と、そういうことなんだという激しい共感に
頭とこころが揺さぶられました。

With othersというタイトルの展覧会は、
これまでの実績を煌びやかに見せるような類ではなく、
他者との協働研究結果を公開するような資料展示であり
rhythmdesignのアイデンティティーや姿勢、
もっと言えば井手さんの頭の中身を
包み隠さず観せてもらえるような、素晴らしい展示でした。

カッコつけないんだ。
プロだと武装せず、等身大で横並びなんだ。

聴く、書く、描くを軸にしていこうとしていたところに
デザインの教えを説かれたようで、嬉しくてワクワクして会場を後にしました。
対話だ、対話!









会期は11月10日明日まで。井手さんの展示説明のツアーもぜひ。
会場で配布される冊子が、これがまた素晴らしく良いです。

[展覧会詳細]
リズムデザイン展覧会「ウィズ・アザーズ」福岡展
会期|2024年10月31日(木)~11月10日(日)までの11日間
会場|太宰府天満宮 文書館[福岡県太宰府市宰府4丁目7-1]

「井上孝治・井上一 写真展」at bbb haus

先日の大雨の中、糸島のbbb hausで開催されている「井上孝治・井上一 写真展」へ。
当時の活気や陽気という時代の空気感がモノクロ写真から伝わってきて、
撮られている緊張感が全くないイキイキとした表情がとても印象的でした。
また、広告をはじめとする写真には、被写体に関わる豊かな時間と、ピンと張り詰めた緊張感をひしひしと感じ、
デジタルの手軽さの恩恵を受けつつも、「何を撮るのか?」を持っていないと何も伝わらないぞと、己に言い聞かせました。
会場空間の展示は永井さんによるもので、綺麗なブルーとグレーの壁面を使って巧みに両氏の作品を構成され、
沢山の作品を1点1点ゆっくり鑑賞できる展示となっています。
この空間で展示会は狭くて無理となっていたそうですが、そこは不可能を可能にさせるところが永井さん。
「そんなん、こうして、こうこうしたら良かろうもん」と、軽快にハードルを越える永井さんの声が、聴こえてきそうでした。
会場内にスナップ写真がスライドの映像で流れていたのですが、
永井さんやデザインのボスや先輩方そして、他界した父も写っていて、
色とりどりの笑顔にほんわかとなり何周も見入ってました。
数日経ってから、じわりじわりと内に灯るあたたかい写真展、おすすめですのでぜひ。

「井上孝治・井上一 写真展」at bbb haus
2024.10.10(木) − 11.24(日) (木・金・土・日 11:00 − 17:00) bbb haus内ギャラリー 入場無料


カフェから見える景色が雨模様で美しく、マーガレットハウエルのイギリスの風景とシンクロ。
たっぷりと心に栄養を与えることができました。

タイポ塾 羊羹編を終えて考えたこと

今月よりはじめたタイポ塾、2回で1つのテーマを作り上げる講座を通して、
お陰様で塾の在り方が見えてきました。
1回目は、文字作りのためのコンセプトワークからお手本を探し、
毛筆や芋板などで制作して素材をつくる作業をしていきます。
2回目は、その素材をブラッシュアップさせたり、
他のツールに当て込んだりして1つのロゴを作り上げ、
プレゼンテーションを行います。
客観性を入れるために、各プレゼンの感想をそれぞれ付箋にメモし、
プレゼンターにフィードバックとして1枚にまとめて渡す。
以上、コンセプト立案・制作・プレゼンテーション・検証と一連の流れで、
内と外から自己を見つめる機会を作れたと手応えを感じています。





なぜ手書きタイポなのか?
ペンタブレットで簡単に質感を変えたり、消したり戻したりできるのとは違って、
実際に使う筆や版や紙質など素材によって、上手く書けなかったり思わぬ形になったりする偶然は、
他の表現やアイデアが色々と生まれる可能性に満ちています。
塾生さんの感想には、「0→1で表現することの大切さを思い出した」「こんな字を書ける発見ができた」などがあり、
アイデアのタネがたくさん散らばっていることを確信しました。
手書きタイポは、手の質感ある文字の上達は1つの目的ではあるものの、
本質はアイデアの引き出し方を増やすことです。




自分の書いた字で迷った時は、お手本を変えてみたりして、別の知識を取り入れてみると新しい表現に出会えます。

同じ羊羹というテーマでも、アプローチも違えば思考も違うし、表現の仕方も三者三様。
この事がとても面白いし、塾でやりたかった事です。
講師の手本を真似たり、合格をつけるようなものではなく、
個々が己の才能に気づいたり、引き出せること。
この塾を通して、新しいクリエイター像が見えてくる事を、一緒に体験していくのが醍醐味。

塾では団欒を設けていて、お茶菓子と一緒に意見交換会となっているのですが、
これがサロンのようでとても良かったので、もっと塾生さん同士の交流が深まるように
場づくりを整えていきます。


協会や専門誌で活躍されるデザイナー方を、山の頂とし目指すことも良いですが、
自らの価値に気づき、独自の山を登っていくことも、難しくはあれど、
登れば登るほど、良い景色が見えて楽しいはず。
そのガイド役としてこの塾を運営していこうと考えています。
月謝制を基本としていますが、単月参加もできますので、気になる方はお気軽にお問い合わせください。
見切り発車のニッチな塾なので、いつでもウェルカムです(笑)。

塾と言ってしまうと、教える・学ぶの印象が強いので
もっと成長し変わっていくような名前が良いなぁと考えています。
動き出したばかりなので改善の繰り返しですが、独自の才能を開花させたピカソ集団ができればと。。

今回のことを踏まえて、少し条件などを変えました。
詳細はこちらをご覧ください。

この羊羹は、若手デザイナーズを塾へ送り込んでくれた、デザイン会社代表からの粋なお土産です。
美味しくいただきました♪

タイポ塾初まり

第一回目のタイポ塾を終えました。
初月の参加者は5名で、デザイナー以外に企業の広報をされる方も。
色んな羊羹を考えて、観て、書き上げてもらいました。
初回の改善点は色々とあるものの、まず率直な感想としてタイポ塾をはじめて良かったし、
アイデアが次々と湧いてきています。
そして、これまで主催した講座の中でダントツに疲れました。
それぞれの個性・特長をどのように引き出せば良いのか、
ずっと頭の中を巡らせていたからか、この塾で収穫はあったか、
Howtoではなく、コンセプトワークに重きを置く塾を体現できているかなどなど、
グルグルと考え過ぎて。。
投稿までに数日が経ってしまいました。




今年は、負荷をかけて働き方を変えていってます。
目的は他と比べられない価値を可視化させること。
この塾も同じく、講師と同じような作風をする塾生さんを育てるのではなくて、
個々の違いに価値を見出し、独創的な表現者へ導いていくことです。
難しく地道だとしますが、これから楽しんで一緒に探究していきたいです。





毛筆・芋板・予期しない芋筆まで登場して、面白いタイポができています。
来週が楽しみです。

ニーズに合わせて、単月での受講もお受けするようにしました。詳細

Tinucalla renewal design

鹿児島県鹿屋市の結婚式場「ティヌカーラ」の、
リニューアルオープンに伴いデザインのお手伝いをさせて頂きました。


リニューアルデザインでは、封筒やファイルといったペーパーアイテムも制作。









思い立ったが吉日

いつも行動に移すのが遅いんです。
考えている間にだんだん、閃いたことアイデアが、萎んでいくこともある。
嫌だなぁとしても、なかなか変えられるものじゃありません。

でも、先日はすぐ動けたんです。
「今日泊まれる方は連絡ください。」という、またとないチャンスに飛んで向った桃源郷。
素晴らしい学びと遊びの体験の数々でした。
サウナに入って、谷尻さんの話を沢山聴けて、今でも余韻でのぼせているよう。
Changerに集まる方々の活動も面白く魅力的。すぐに行動できた良い日の話でした。
急に家を空けることに後押ししてくれた妻に感謝。
















対話

この春娘が高校生になりました。
入学式の校長先生の話が素晴らしかった。。
これまで過去に聞かされてきた式辞は、
定型分と引用を読み上げるばかりの退屈なものだったのですが、
全て校長自身の言葉で、生徒に分かりやすく語りかけるように伝えられていて、
もう、それだけでこの学校を選んだ娘に拍手喝采です。
中でも対話に重きを置いて、意見が違うことを認め、そこに価値を見出すと。
皆んなでいきいきと健やかである(Well being)状態を最終目標とする学校の考えは、
これから先の道標となるもので、とても共感しました。

「対話のできる関係性であるかどうか」これから先の指針としようと決めた入学式でした。


風通しの良い校舎。


少ない生徒数に対してメンター(先生)が月替わり。クラスではなくハウスといって年上の生徒と一緒に、興味のあることを探求していく。


野に咲く花のように、のびのびと力強く。

姉の苺ケーキ

妹のために、長女が苺ケーキを作りました。
言うまでもなく優しく美味しい味。10離れたお姉ちゃんは、これからどんな存在になっていくのだろうか。
大きくなっていく姉妹の関係性も興味深い。
これから、もっともっと伸び伸びと育っていきますように。

相談相手は小説家

お風呂の中で読書をしています。
妻が文庫本をよく買ってくるので、読み終えた頃合いを見て拝借。
もっぱら小説で、よくこんなに情景描写ができるものだと感心しながら、
物語に入り込んでいきます。
ある時、物語の中にいながらにして、自問自答をしていることに気がつきました。
最近の出来事や人間関係について、振り返りながら己の感情整理をしていたんです。
それだけでなく、新しい講座のタイトルや企画だって浮かんできたり。
2つのことを同時にするのは、苦手なはずなのにどうして?
とよりも、いつも仕事のことを考えているだなぁと、呆れてしまいます(笑)。
最近お世話になったメンターは、角田光代さんと浅田次郎さん。
新しい読書の楽しみ方を見つけた春。何かがはじまりだす兆しあり。

デザインの語り場「これからのデザイン」REPORT

4年ぶりの自主イベント、デザインについて語り尽くす会を開きました。
定員6名に対して、参加者は2名。揃ったみんなで笑ったんですが、
このセミプライベート講座のような人数が、結果とても良かったです。
ここだけのデザイン話に花が咲き、お互いの話をじっくり聴いて話し合うことになりました。
お二方とも、4年前の「デザインの前のプレゼン」にも参加されていて、
あのワークショップで働き方が変わったと、嬉しいフィードバックを頂き、役に立てた事が本当に嬉しかったです。

長時間プレゼン形式で、デザインについて話すことも普段なければ、
いつも聴き手であるのに、受け手に回ることも取材以外では滅多にない。
そうなると、嫌でも内側に向き合わざるをえない状態になり、
新たな発見と発掘の手応えが、それぞれにあったようでした。
何だか、主催者が一番後押ししてもらったようで、次のイメージが湧いてきました。
まずは、3・4名に絞った濃厚な講座・ワークショップや、
コンセプトワークから未来図を描く、個別の連続ワークショップの企画を、頭の中で描いているところです。

新しく作った空間で食事をするというのも大切で、
緊張感がほぐれ、もう一層深いところへ踏み込んだテーマとなったことが、
空間づくりの答え合わせの様でもあって、興味深かったです。
料理って楽しい、食事会って面白い。。。

己と向き合うことは本当に大切ですね。
これからのデザインを確かめ合い、未来をデザインしていきます。
また、お会いしましょう!