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デザインの前のプレゼン[REPORT]

デザイン講座
デザインの前のプレゼン

タイポ講座に続いて、クリエイター向けの講座を開催しました。
内容は、デザイン提案をする前に行う大事なことについて。
ここ数年、プランを描くことが楽しくて仕方なく夢中になっている自分がいて、
そんなプランを提案できた案件は、良い結果になっていると気づきました。
これを冷静に分析・分解して、言語化したものが今回の講座です。
参加申し込みが、締め切り前を前に定員に達し、キャンセル待ちの問い合わせもあって、
この内容に対する関心の高さを感じました。
講座は15名の多様なクリエイターに参加いただき、ヒアリングのワークショップを交えながら、
「聴く」「描く」「計る」、そしてその結果の「表す」という順で進行。
このプロセスは、どれ一つ欠けても成立しないわけで、
アウトプットや結果が大きく変わっていきます。
ただ、何よりも伝えたかったのは、これは人間関係を築くために行うということ。
良い関係性を深め育めてこそ、この仕事が異彩を放つと考えています。
若い頃から手探りで経験してきたことを、講座でオープンにすることで、
整理ができて、自身の伝達技術の向上にも繋がっている模様。
教えることで強くなる、合氣道の教えと合致します。
いつも講座に参加された方が、アンケートにダメ出しも含めたくさん書いてくださるので、
本当に嬉しく、次の企画の励みになります。
今回の要望として多かったのが、クリエイターのサポートでした。
これは、なりわい診療というサービスを、クリエイター向けにも展開しているので、
早めに分かりやすい案内をしたいと思います。
あとは、タイポ講座続編やコンセプトマップづくりに、もっと根本的な軸を見つけるワークショップなど。
ママクリエイターの井戸端会議もやってみたいですね。

自主講座を始めて、まだヨチヨチ歩きですが、講座自身にももっとデザインを導入していくのが課題です。
今年はたくさん自主的に動いていこうと思いますので、どうぞよろしくお願いします!

参加されたヨシカワさんが、濃密な振り返り記事を書いてくださってます。ありがとうございます!
fieldnotes blog デザイン講座「デザインの前のプレゼン」に参加

2020年2月1日

筑紫宮詣。
今年はやけに暖かい。異常気象という言葉は、日常になってしまっている。
写真は、雪ではなく梅の花。
目に見えないものに不安を感じつつ、
目に見えないものに今があることを感謝しつつ。

たけのこの水煮パッケージ

○ 内容:アートディレクション、デザイン、コピーライティング
○ 制作物:水煮パッケージ
○ 制作年:2017年〜2018年

福岡県八女立花町にある、立花物産という筍の水煮を製造してある会社の、
商品パッケージのリニューアルに携わりました。
春採れたての竹の子は、大釜で蒸した後春の風味を閉じ込めて、関東圏のSEIYUで販売されています。

リニューアルのご相談をいただきヒアリングの後、工場内を見学させていただきましたが、
生産ラインがとても清潔かつ整理整頓されていて、長年卸をされている知恵が随所に見られました。
竹の子の中の混入物のチェック、梱包ミスのチェックなどいくつも工程を踏んで
作りあげられている姿勢から、商品の美しさに出ています。
リニューアルにあたっては、混入物のチェックが目視できることに配慮しつつ、
竹の子の姿が綺麗に見えるように、そして時期に応じた装いとなるよう、
最後にこれまでの竹の子の水煮のパッケージにはないものに。
と、いろいろなお題を整理しながら、市場にある竹の子のパッケージと比べながら
「新物」「レギュラー」「縁起物」と用途に分けてデザインしていきました。
書体は古本屋さんで面白い文字が使われている本を探し出し、文字をトレースしながら制作。
リニューアルにあたって、新たに竹の子のレシピも立花物産の女性スタッフの皆さんの協力を得て、
簡単でちょっと変わった竹の子料理レシピを作っています。

立花物産の社長さん、そして後継の岩下ご夫妻と一緒に竹ん子山を見ながら、
生産者の高齢化を危惧されていました。里山の保全も担われている営みなので、
まずはリニューアルのパッケージがたくさん売れることを期待しています。


新物パッケージデザイン
春一番に採られた筍のワクワク感や春の陽気を演出。販売期間は4月から5月ごろ。


基本パッケージデザイン
通年販売される筍のパッケージ。朝霧の中の竹林をモチーフに。


縁起物パッケージデザイン
お正月や雛祭りに使うゴロンとした筍には、目出度い装いを。販売期間は1月から2月ごろ。

蒜山耕藝 リーフレット

○ 内容:ブランディング、アートディレクション、デザイン、イラスト、撮影
○ 制作物:リーフレット
○ 制作年:2014年・2016年

蒜山耕藝との出会いは2012年に遡ります。
ネーミングに始まり、ブランドづくりの手伝いをこれまでさせていただいてます。

藝の語源は、人間が植物を植え、食べものをつくる姿です。
無農薬・無肥料の自然栽培に取り組んであるのですが、農法のことよりも蒜山耕藝の心の底からわき上がってくる
ものづくりの楽しみを一番に伝えたいと思いました。

このように以前のサイトの記事(2012年12月)に書いていますが、そのスタンスは今も変わりません。
それは蒜山耕藝の高谷夫妻の軸が、ずっとブレていないから。
最初に制作したリーフレットは、お米と丸餅を紹介するためのものでしたが、
今では様々な加工品や、彼らの活動拠点「くど」まで、紹介することができています。
お二人の夢を実現されていく姿にいつも勇気づけられます。
そして、彼らには愉快な食いしん坊仲間が集まっていて、蒜山が桃源郷と化しています。
このリーフレットはずいぶん前に作成しましたが、修正を加えバージョンアップを続けています。
今年は新たに最中の皮のパッケージが完成しました。
次は、どんなことか書き込まれていくのかとても楽しみです。

2016年から刷新しているリーフレット



2014年に制作した初代リーフレット
主軸のお米と加工品がお餅だけで、蒜山耕藝の想いを伝えたものです。
縦に開いていく折加工になるので、どうしても裏表紙の面は開いた時に、天地が他の面と上下逆転してしまいます。
そこで、食卓を俯瞰で撮影した写真だけを載せる策を取ることで、上下逆転の違和感を解消しました。
このリーフレットは今は利用されていないですが、お気に入りのデザインです。

デザイン講座「デザインの前のプレゼン」

年初の講座をご案内します。
クリエイターの方々を対象とした、デザインを始める前に必要な、企画提案の講座を開催します。

デザイン講座「デザインの前のプレゼン」
デザイン制作の前に行うことは沢山あって、実はこの作業(Pre・design)こそが、
アウトプットの質を左右するくらい、重要になっていきます。
例えば相談主からは、「パッケージデザインを作って欲しい」と言われても、
問題の本質はそこでなかったりすることは往往にしてあります。
全体像を捉えて、一番大切な軸を掴み、問題の解決策を講じることによって、
より包括的な提案ができると考えています。
この講座では、相談主がワクワクするような企画提案に取り組み、試行錯誤して得た経験やノウハウを公開して、
参加者の方が実践できるようになってもらえたらと思っています。

講座内容

【前半2時間くらい】
企画提案のノウハウをお話しします。

1. 話を聴く
ヒアリングの必要性について。
近頃取り組んでいる方法をお伝えします。

2. 未来予想図を描く
コンセプトワークをして、全体像をイメージできるように作る。
ここが成功を左右する鍵。

3. 予算を立てる
イメージを実現するための価格をわかりやすく伝える方法。
予算感もお伝えします。

4. 結果のデザインを観てみる
プレデザインに力を入れて、出来上がった実例紹介。

【残り1時間くらい】
井戸端会議
企画提案についてや、その他クライアントの関係づくりや、デザインの取り組みなど、
参加者全員で意見交換会を行います。

日時 
2月1日 15:00~18:00ごろ

場所
アソビドコロ寸時(福岡書芸院1F)
福岡県大野城市白木原5-1-27

受講料 
8,000円(税込)

対象
今回は、デザイナー・クリエイターの方を対象とさせていただきます。
・仕事の受注がツール単体になっている方
・ブランディングをしたい方
・なかなかデザイン提案が通らない方
・デザイン修正を沢山受けている方

お申し込み
参加ご希望の方は、お問い合わせページからお申し込みください。

お申込み締め切り 
1月30日(木) 定員:15名
※30日以降のキャンセルは、全額お支払いお願いします。

講師 

前崎成一
クリエイティブディレクター・デザイナー

アイデアという希望の種を運び、芽吹かせ、育つように。
アオバトは、面白い状況を作っていく創造の鳥です。
まだ言葉にならない想いをすくい、コンセプトを立て、
本来あるべき姿をデザインという手段を使って具現化し、
ご縁を結んでいきます。<プロフィール詳細

Palette head spa Sign

○ 内容:クリエイティブディレクション、デザイン、イラスト、コピーライティング
○ 制作物:ポストカード、額縁

唐津の美容室Paletteのウェブサイトを、以前制作させていただいた縁で、
今回、ヘッドスパのサービス案内のサインを、制作させていただきました。
ご夫婦で美容室をされていて、ご主人の中山さんはカットマン。
奈々子さんはシャンプーママとして、お客の髪と心をさっぱり軽やかにされています。
巷にヘッドスパという言葉がない時から、独学でシャンプーでの癒しを追求し、
知らず知らずヘッドスパを提供されていた状態でした。
そこで、もっと極めシャンプーだけでもお客様を癒したい想いで、
修行にも行き、ヘッドスパサービスを拡充されるタイミングで、
「何かスマートな案内ができないか?」というご相談を受けました。

スマートな案内とは何か考えた中で、辿り着いた答えは、インテリアに溶け込む「イラスト」でした。
どんなに凝ったデザインの案内メニューを作っても、
カットの最中鏡の周辺にサービスの提案があるより、
さりげなくサービスに関わるイラストを飾っておいて、尋ねられたお客さんには案内カードと一緒に伝えるという、
案内の誘導までをご提案しました。
この案内カードは葉書サイズになっていて、気づかれない方にもレジなどで手渡しもできます。
イラストは「眠れる森へようこそ」というテーマで、美女と野獣がシャンプー中に居眠りをしている様子を描きました。
額装は美容室のインテリアに合うように、hanatolifeの石川さんへご相談。
おかげさまで、ポストカードが見違えました。

臼杵の海

正月休みに、妻の故郷である大分の臼杵へ。
海の近くなので、海岸沿いを散歩。
年末から急にカメラのバッテリーが持たなくなってきた。
これは本体の問題なのか、電池の問題か?
頑張れα7!


子ども達だけで、遊びに行くようになった。


鴉と鳶が何かを食していた。

書き初め二〇二〇

今年も例年通り元日に書き初めで、「学」と酔書しました。
去年から新しい取り組みで、自主講座を色々と開催しましたが、
各講座を経験することによって、新しいアイデアが色々と湧いてくるので、
今年は、数多く講座やワークショップを企画して、学びの場を作っていきたいと考えています。
これまでのブランディングの仕事は、より総合的な相談ができる窓口となり、
よき理解者になれるよう「聴く」を追求していきます。
税理士さんを交えた「なりわい診療」や、「デザイン診療」も充実させていきたいかなと。

激動の2020年、気が滅入ってしまいそうな政治に、テクノロジーという怪物に、学ぶこと満載。
物の見方を変えて、たくさんの気づきのタネを見つけたいと思います。

今年も、皆さんどうぞよろしくお願いします!