○ 内容:コンセプトメイキング、アートディレクション、グラフィックデザイン一式
○ 制作物:ロゴマーク、暖簾、メニュー、商品パッケージ、ウェブサイト、ペーパーツール、PRブース、ギフトツール
じんわりにふくむ、にんまりほころぶ。
日本料理の道を、永年歩み続けた海木が辿り着いたのは、ほっと安心する優しさです。
お出汁たっぷりの『だしいなり』は、当たり前のお稲荷さんです。
特別高級でも珍しくもない、当たり前の食材を吟味し、当たり前に手間と暇をかける。
お客様の笑顔に出会うため、培った技藝の全てを注ぎ込み、
当たり前を一日一日と重ねて参ります。
だしいなり 海木
お客様の「美味しかったぁ」という笑顔に出会うため、手間暇かけただしいなり。
食べるとこれまでのいなり寿司の概念が崩れて、ほっぺが落っこちました。
CASE-REALの二俣さんからお声がけいただいたのは、日本橋店の設計が進められていた頃。
その日本橋出店に伴い、必要なコミュニケーションツールのグラフィックデザイン一式を、
担当させてもらうことになりました。
オファーをいただいた時は、ドーパミンが溢れ出て鼓動は高鳴り
平静を装うのが大変でした(笑)。
サインデザイン
洗練された緊張感の中に、ほっと安心する優しさ
デザインの前に、コンセプトワークするため、海木の女将さんと二代目篤志さんから、
お話をたくさん伺いました。
ルーツから、料理に向き合う姿勢、おもてなしの心得と、
聞いていくうちに、唯一無二なおいなりさんが生まれた訳が鮮明になっていきます。
2019年の2月に、35年続けられた日本料理店を閉じて、だしいなり専門店となった海木。
これまでとこれからの岐路に立ち、新たな方向性を示すため、
まずはシンボルとなるマークとビジョンをご提案。
細部まで血の通った設計から生まれる、空間の静謐な緊張の中に、
にっこり和らぐ印として、お稲荷さんを頬張るお狐さんをシンボルマークとし、
海木の幹を表現しました。
そして、稲荷寿司のメッカである日本橋にかける思いを、
「もし、江戸の街並みに海木があったら?」と空想して書き下ろしています。
驚くことに出店されたコレド室町テラス辺りには、江戸時代に稲荷寿司店があったとされる文献が残っていたんです。
自ずとこの地に導かれ、9月27日にオープンした海木日本橋店は、連日長蛇の列で
今もその人気は衰えを知りません。
Photo Daisuke Shima
店舗の前は、すぐに通路となり多くの人が行き交う場所のため、
ゆっくり食事をしていただくことを最優先に検討された結果大きな暖簾に。
CASE-REALデザインの、微に入り細に入るお仕事を目の当たりにし、学びが大きくて感無量です。
サブのマーク。博多と日本橋、阿吽の呼吸でお客様を笑顔に。マークは共に木版で制作しました。
ペーパーアイテム
オープン告知の案内や、名刺・ショップカード。
パッケージデザイン
手土産用の紙袋。赤い狐が日本橋でウロウロしてくれているようです。
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ウェブサイト
ウェブサイトは、最小限の基本情報とブログを更新するということで、
1つのデザインでPC版とスマホ版を制作。尽力いただいたProboの西嶋さんに感謝。
PRパネル
プレスリリースのイベント展示のために、テーブルのサイズにあわせて制作したパネル。
TVや雑誌などメディア取材に繋がったと聞いています。
ぐい呑
レセプションのお土産用に制作した、ぐい呑や手ぬぐい。
実は、海木さんとの初顔合わせの日、早朝の散歩をしているとまさかの狐に遭遇。
これもまた、ご縁を感じずには入られない出来事でした。
この仕事を通して、プロフェッショナルな技芸にたくさん触れ、
見たことのない景色を見せていただき、視野が広がりました。多謝。