Works

蒜山耕藝に会いに行く

福岡で桜の葉が散り始めた頃に、岡山県蒜山へ訪れると、
ようやく開いた桜の花が迎えてくれました。久しぶりの澄んだ空気。
3月は休まず仕事だったので、やけに山や川が綺麗に写ります。
目的は、蒜山耕藝の高谷夫妻に会って、話をすること。
現在検討中のパッケージデザインや情報発信について、あとはこれまでのことと、これからのことを。
2012年、蒜山耕藝というネーミングにはじまり、これまで暖簾づくりをお手伝いさせていただいてますが、
思い描いていたことを、ちゃんと実現して行くお二人を見て、何度となく勇気づけられました。
そして、彼らの美味しいご飯を三食頂き、仕事以外の話もたくさんすることで、
お互いの『今』が自然と見えてきます。

ネーミングを考えられていた時に、必ず『藝』の言葉は入れたいと言われていました。
語源は人が植物を植え、食べものをつくる姿だと。
ちなみに、耕すは英語でcultivate(カルティベイト)。
食べたいものを作り、自然と食卓から生まれ、風景となっていく。まさに彼らの営みそのもの。
7年が経ち、蒜山耕藝の周りには食いしん坊が集まり、住み始める人も増えてきて藝術村かのようになっています。
蒜山中和の土地が引き寄せていると、彼らは言っていますが、決してそれだけではないはず。
近頃は海を越えたご縁も強くなっているようで、蒜山耕藝の食卓「くど」という場を拠点に、
これからまたどんな素敵な巡り合わせがあるのか、楽しみはますます増えていくばかり。
今年は開く年とブログに書かれていますので、ぜひ読んでみてください。

時間を大切にしようと決めた年だったのに、この前半驚くほどの忙しさ。
いろんな期待に応えるようとしてきた疲れを、美味しいご飯とお酒がゆっくり癒してくれました。

今回は、素敵な場所にも色々と行けて、すごいエネルギーをいただいた。
確かにこの土地の引力は強く、創作意欲が掻き立てられるから、魅力的な人が集まってくるのだろう。
ここは間違いなく、藝の桃源郷だ。

本来ブランディングというものは、その人自体の在りようで滲み出てくるものだと、
二人の佇まいから教わっています。デザインはそのきっかけに過ぎない。

裕治さん、絵里香さん、いつもありがとうございます。

credits
撮影:前崎成一(アオバト)